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会社を設立したら、まずは「税理士」を探すこと
新たに会社を設立したばかりの経営者は、とにかく利益を確保し会社を存続させることに専念しなければなりません。
事業をどのように展開・運用するか、どのような人材を獲得・教育するか、そのためにはどのような環境・設備が必要か等々……。
そういった状況では、往々にして経理面の管理がおろそかになってしまうケースが多く見受けられます。
特に税務は複雑な税法を把握した上でもれなく書類作成や経費調整、申告手続きなどを行わなければならないため、知識のない一般の方には非常に難しい業務になります。
設立直後で多忙を極める経営者の方がこれを自主的に行うというのは、非常に大きな負担と高いリスクを伴うでしょう。
そのため、多くの法人では新規設立の際に専門家である税理士に顧問を依頼し、このような複雑で難解な税務の代行を委託しています。
税理士事務所ってどんな仕事しているの?
税理士事務所に依頼するお仕事とは、大雑把にいえば企業の経営上必要な様々な税務の代行およびサービスとなります。
分類すると「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つに分けることができますが、まずはそれぞれの意味と内容について解説しましょう。
税務代理
日本国には国民三大義務の一つとして「納税の義務」があり、これは法人も例外ではありません。
企業として利益を生む以上、経営者は納税者として税務署に税金の申告や申請を行わなければならず、これを怠ると最悪の場合「所得税法第238条」や「法人税法第159条」に違反したとして、「10年以下の懲役又は1,000万円以下の罰金又はその両方」が課せられます。
【参考】国税庁公式サイト
https://www.nta.go.jp/about/organization/ntc/kohon/houjin/mokuji.htm
健全な企業経営のためには税金をしっかり納めるということが大前提となります。
しかし税法というのは極めて複雑であり、また法改正も頻繁に行われるため、立ち上げたばかりの多忙な会社がこれをソツなく処理するというのは難しいものです。
そのために、専門家である税理士にこの厄介な税務処理を一通り代行してもらい、経営者ならびに社員は売上獲得のための業務に専念するというのが一般的です。
税務署は納税に係る不正に対して非常に厳しく、申告内容によっては企業側に対して「税務調査」を行うことがあります。
ここでも税理士は経営者と同行・同席し、議論や説明を協力してくれます。法廷における弁護士のような立場だと思えばわかりやすいでしょう。
こういった税務の面倒事・トラブルを未然に防いだり、迅速に対処したりすることで経営者の負担を軽減してくれるのも税理士事務所の大きな役割のひとつなのです。
税務書類の作成
企業を経営していく上で、当然ですが日常的にお金の支払いや受け取りが発生しますが、その収入支出のすべてに税務が関わってきます。
そこで必要になる、税務官公署への提出が義務付けられている各種申告書・申請書・請求書などの作成も、専門家でない限り困難です。
例えば年次業務でいえば「中間申告書および確定申告書」「決算書」「年末調整」などがその代表です。
また毎月かかるものとすれば仕入れ伝票や勘定元帳・給与支払証明書や源泉所得税納付書などもあります。
お金が関わるものだけに軽微なミスや漏れすら許されず、社内に経理部や法務部を持つ企業ですら再作成・再提出・再回付の繰り返しでタイムロスを強いられることも珍しくありません。
こういった書類の作成代行も税理士事務所に依頼できるお仕事の一つで、日々の経営を安全に効率化する上で欠かせない要素といえるでしょう。
税務相談
税理士事務所では、上記のような実務の他に「税務相談」というのも承っています。
これは税理士法で
「税務官公署に対する申告や主張、陳述、申告書等の作成に関し、租税の課税標準等の計算に関する事項について相談に応ずること」
と定められている、れっきとした税理士の職務の一つです。
簡単にいえば「税金にかかわる疑問点や問題点があれば気軽に相談してくださいね」ということです。
実際に税理士に動いてもらうようなことではなくても、税務処理におけるアドバイスや指導を要請することができます。
電話やメールはもちろんのこと、最近はチャットツールを用いてリアルタイムでのやり取りが可能となっている税理士事務所も増えているのだとか。
相談だけであれば無料で対応してくれる場合が多く、中には実際に合って税理士とお話できる「無料面談」を実施している事務所もあります。
ここで顧問料の交渉や見積もりも可能なので、税金のことでトラブルや面倒事を起こす前に一度相談だけでもお問い合わせしてみるといいでしょう。