会社を設立し経営していく上で絶対に避けられないのが「法人税」です。
この法人税について理解を深めておくことは、会社の経営を存続そして発展させていくために非常に重要となります。
そこで、今回は法人税の基本的な知識を皆さんにお伝えしたいと思います。
法人税とは
法人税とは、会社が事業によって得た利益に対して生じる税金のことで、個人における所得税に似た課税方式となっています。
税金は納税者(税金を納める人)と担税者(税金を負担する人)が同じ「直接税」と、それぞれが異なる「間接税」に区分されますが、法人税は直接税です。
ちなみに間接税の例としては消費税や酒税、たばこ税などがあり、これらは事実上サービスや商品の金額に上乗せされる形での徴収となるため、直接税のように担税者の所得の多少に応じた税率の計算がされない「水平的公平」が特徴となっています。
法人税の納税方法は、経営者サイド(納税者)が自分で税額を計算し、所轄の税務署に申告・納税する「申告納税方式」となっています。
法人税法における法人の定義について
法人と一口に言っても様々な種類がありますが、その中でも法人税の課税対象になるものとならないものがあります。
普通法人
普通法人は世間一般でいうところの「会社」全般や医療法人、企業組合、日本銀行などを指します。
これらの普通法人には、事業によって生じた全ての所得に対して法人税が課税されます。
ただし、資本金が1億円以下の法人等に対しては軽減税率の対象となります。(詳細は後述)
協同組合等
農業協同組合、漁業協同組合、労働者協同組合等の協同組合全般や信用金庫等も法人税の対象となります。
協同組合とは労働者個人や経営者、実業家が共通の目的のもと設立・運営する組織です。
こちらも資本金1億円以下の普通法人と同様に軽減税率が適用されます。
公共法人や公益法人は法人税の対象外
地方公共団体、金融公庫、国立大学法人、地行政法人、日本年金機構等の公共法人や、社団法人、財団法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人などの営利目的でない公益法人は原則として法人税の課税対象外となります。
ただし、何らかの収益事業によって所得が発生した場合のみ法人税が課税されます。
また、PTAや研究会、マンション等の管理組合など法人格を持たない社団も公共法人や公益法人と同様の扱いとなります。
法人税の算出方法
法人税の税率は、法人の種類や規模に応じて異なる算出方法が適用されています。
普通法人の場合、年間所得800万円までの部分については19%、800万円超過分については23.2%という計算式が当てはめられます。
協同組合等の場合は一律で19%となっています。
そして公共法人や公益法人が収益事業を行なった場合、協同組合と同じ税率の計算式が適用され、人格のない社団が同じく収益事業を行なった場合は普通法人と同じ計算式となります。
この法人税の計算式は法改正によって変更となる場合がありますので、あくまで令和2年現在の情報として把握しておきましょう。