毎年2月中旬から3月中旬にかけて、収益を得ている事業者全てが行わなければならない「確定申告」があります。
この確定申告というのは簡単にいえば収入・収益に応じた所得税を正しい金額で納めるための手続きですが、他にも申告を行わなければならないものがあります。
それが、譲渡所得と贈与税です。
譲渡所得について
譲渡所得とは、資産の譲渡によって生じる所得のことで、「譲渡した人」に課税されます。
ここでいう譲渡は有償の売買に限らず、「交換、競売、公売、代物弁済、財産分与、収用、法人に対する現物出資など」も含むとされており、手段も問われません。
例えば、不動産等の所有者の権利や名義を移転させる行為も譲渡にあたります。
他にも土地、株式、金地金、宝石、書画、骨董品、船舶、機械器具、ゴルフ会員権など……税務上の譲渡にあたる対象物は多岐にわたります。
ただし家具や衣類などの生活必需品等は課税対象外になるケースがあるほか、譲渡所得という形ではなく事業所得や雑所得といった形で処理されるものもあるため、何らかの譲渡が発生した場合は税理士事務所へ相談するのがよいでしょう。
なお、譲渡所得の申告期限は確定申告と同時期となっています。
贈与税について
贈与税とは個人から財産や資産を贈与された際に発生する税金で、こちらは「贈与された人」に課税されます。
また法人等から財産を贈与された場合は贈与税ではなく所得税として課税されます。
ここが上記の譲渡所得と異なる点です。
贈与税の課税対象となるのは1月1日から12月31日までの1年間で贈与された財産の合計金額ですが、110万円までは基礎控除の範囲となるので非課税となります。
例えば50万円のテレビを貰っても贈与税の心配はいりませんが、150万円の高級腕時計を貰った場合、そこから110万円を差し引いた40万円に対して贈与税が発生するため申告が必要となります。
なお、贈与税の申告期限は翌年の2月1日から3月15日までとなっています。