税理士の役割として「節税対策」や「補助金・助成金等の受給」に関するアドバイスがあります。
少しでもクライアントのお金の負担を軽減することが税理士にとって最も重要なことですから、全国のあらゆる税理士事務所でこのようなコンサルティングが行われています。
しかし、それも法律に触れてしまっては単なる「脱税」であり「不正受給」となるのです。
良心的な税理士であれば勿論そのような心配は無いのですが、成功報酬を目的にクライアントに不正を強いるケースも僅かながら存在するようです。
先日、日本中央競馬会(通称JRA)において、馬主専門の税理士がこの不正受給によって告発されたというニュースが発表されました。
不正を行ない持続化給付金を申請していた?
問題の発端となったのは日本中央競馬会のトレーニングセンター。
ここの調教助手らが持続化給付金を不正受給していた疑いがあるとしてニュースになりました。
不適切な受給をしていたと疑惑が挙がっている調教師・騎手は述べ163人にものぼり、総額は約1億8700万円と報道されています。
そして、その裏には調教師・騎手らと顧問契約を結んでいる税理士事務所の存在があり、不当に売上減を装って申請を指南していたとされています。
給付金などの補助金・助成金においては担当税理士が成功報酬として一定割合の金額を得るという契約がなされていることが多く、このことが税理士事務所を含め不正が表沙汰になった根本の原因と言えるでしょう。
不正受給の疑いが持たれている税理士事務所とは?
今回の件で、不正受給を指南していたと疑惑を持たれている税理士事務所は「大塚総合税理士法人」。
当事務所に所属する大塚亮一という税理士が不正受給に関与しているとされていますが、実はこの大塚亮一という税理士は競馬ファンの間で知る人ぞ知る「ワールドプレミア」の馬主でもあるそう。
現在は当事務所のWEBサイトは実質的な閉鎖状態となっており再開の目処は経っておりませんが、全国の良心的な税理士事務所のためにも厳正なる処分と業界の不正の是正を急いでいただきたいものです。